年は全然自分より上なんですけど、コースメイトにスティーブというリヴァプール出身の弁護士がいて、仕事上の人脈でよくプレミアのチケットなんかを他のコースメイトに回してくれるんです。しかもこの前のエヴァートン戦はタダでくれたし。ここでの生活にそんなに資金的に余裕がある訳ではない自分にとっては、スティーブは私の足長おじさんのような存在です。そんなスティーブが今日もエヴァートンのチケットをタダでくれたので他のコースメイトと観戦してきました。
ただ、今日はエヴァートンといっても、「エヴァートン・タイガースVSチェシアー・ジェッツ」。バスケの試合です。一緒に観戦した同じくリヴァプール出身のマイクにイングランドでのバスケ人気について尋ねてみたのですが、今のところそんなメジャーではないとのこと。まあそうですよね、熱狂的なサッカー以外にもラグビーとかもあるし。
試合を楽しもうという反面、今日はサッカー以外のスポーツイベントから何か学ぶことがないかという目的で会場へ。今日の試合会場は「Echo Arena」という完成してまだ数か月のかなり近代的でリヴァプールには似つかわしくない建物だったのですが、実際、世界遺産である港のアルバートドックの真横に併設されていて、この新アリーナとアルバートドックが同じ視界に入ったとき少し醜悪な印象を受けました。
ただ中に入ってみると1万人収容の本格的なアリーナ施設で、スポーツ以外にもコンサート会場としても利用される模様。コンサート時はアリーナ席を設置すれば更に収容人数は増えるものと思われます。「Backstreet Boys」の公演予定なんかもアナウンスされていました。
今日の観衆は5,800人。自分は高校の時に熊谷組バスケットボールチームの試合を観たのが最初で最後という程度で、乏しい知識のまま、誰がポイントガードとか全く分からないまま試合は終了。結局応援したエヴァートンも25点差程の大差で負けてしまいました。
競技内容は除いてサッカーと異なる点としては、最初から最後までまさにエンターテイメントだったということです。ここはアメリカ?と思ってしまう程、サッカー観戦とは異なるものでした。具体的には、
(試合前)
・フリースタイルフットボーラーによるリフティングパフォーマンス
・チアガールダンス
・地元の小学生達によるダンスパフォーマンス
・派手な歌手グループが出てきて国歌斉唱
(試合中)
・タイムアウトやクォーター間にチアガールによるダンス、マスコットがコミカルなことをしたりトランポリンでダンクシュートを決めて観客を喜ばせる。
・スタッフがキャンディーが一杯に入った袋からを客席に向かって掴み投げ。
・バズーカをもったおっちゃんが客席めがけて発砲。弾丸の中身はサッカーのエヴァートンFCのゲームシャツ
・ハーフタイムには地元リヴァプール出身でUK代表として国際大会に参加したというブレイクダンスクルーによる超ハイパフォーマンス
・ハーフタイム後半は地元の小学生バスケチームがシュート練習を行えるサービス
後は試合を通じて観客を盛り上げるためにマイクでずっと喋っている人がいたのですが、この人がまた観客を一つにするのが上手くて、「みんなー、エヴァートンに今必要なのはみんなの声援だー、ディーフェンス、ディーフェンス!!」と言えば観衆がみんな乗っかり、「ディーフェンス、ディーフェンス!!」。「さあ、僕が3つ数えたらウェーブを始めるぞ!!」等々、試合の内容自体はあくまで見どころの一つという程度で、観客を楽しませるための工夫が至る所にありました。
常日頃、リヴァプールにもしサッカーとパブ・クラブがなかったらどうなってしまうんだろうと思うほどこれと言って他のアトラクションに欠けるこの街にとって、これは一種の新たな価値感の提供だと感じました。サッカーが文化や宗教のように染みついているイングランドでは、今後こういうものがサッカーの競合になるのかどうかは定かではありませんが、今日のバスケ以外にも他のスポーツイベントやコンサート、更には近々シティセンターのど真ん中に映画館などが入った巨大複合施設等が完成間近だったりすることを考えると、少なからず今後は人々の余暇の過ごし方にも変化が訪れるかもしれません。
自分が以前船橋に住んでいた頃は、ジェフ千葉以外にも千葉ロッテ、ディズニーランド、ららぽーとや夏場は海辺でバーベキュー等々、サッカー以外にも余暇の過ごし方はバラエティーにとんでいると感じたものです。特にリヴァプールの子供達にとって、こういう選択肢が増えるということが将来サッカーに対してどういう影響を与えるのか気になる所です。今はプレミアの人気が高すぎて且つ子どもにとってはチケットに手の届かない値段がついてるし。

「リヴァプールにこんなもん建てちまって・・・」と思った近代的施設、「Echo Arena」

でも十分楽しんできました(笑)

ハーフタイムのショー